障害児の親一番の悩みとは
障害児をもっている親が持つ悩みは数多くあります。
筆者はダウン症のある子どもを育ててきました。
わが子は18歳で公立の支援学校高等部3年生です。
たびたび悩んできたのは、進路についてです。
普通の子ならある程度成長すれば本人が決めていく問題ですが、
障害を持つ子の親は進路について大きく関わることになります。
保育園や療育園に通っていた時期は、地元の小学校か、支援学校かで悩みました。
小学校は6年間と長いので、成長の差は著しいものです。
中学校から支援学校に行く人や高等部だけ支援学校に行く人なども多くいます。
見学して、悩んで、わが子の成長にとってどちらの道が望ましいのか比べました。
二つに分かれた道でも選べるのは一つだけです。
そして、その道が正しかったのか。もう一つの道に行っていたらどうなっていたのか
ときには振り向いて考えたりします。
でも、失敗だったとしても、やり直すことはできません。
これは試すことのできない賭けに近いものがあります。
そもそも現行の教育制度は、一度支援学校に行ったら、途中で変えることはできない。
その逆もしかりとなっています。(引っ越ししたらできるのかもしれませんが)
わが子の最善を願って選ぶ進路なのに、やり直しがきかないのはおかしいのではないかと思いましたが、教育(=聖域)に口出ししても吹き飛ばされるだけです。
大抵の障害を持つ子は障害の程度の差こそあれ、支援学校高等部にたどり着きます。
卒業してからどうなるのでしょうか
- 障碍者雇用もすすめられているので、比較的大手の会社に就労する人
- 就労移行支援事業所に行く人
- 職業訓練校(能力開発校)に行く
- 人生活介護事業所に行く人
さまざまに分かれますが、半数以上が生活介護に行くようです。
そこでは利用者の実態に応じて、生活の支援をしてくれます。
事業所によって対応はさまざま、まるで塾を選ぶ時のように特徴がありほんとに何が真実で何に焦点を当てて選んでいいのか手探りでした。
わが子は3月で支援学校を卒業します。
遠方の学校には通学バスで行くので朝は8時前から出かけます。
帰りは通学バス4時に降りてそこから放課後デイを利用して6時まで過ごして帰ってきます。
卒業した翌日から長きにわたって続けてきたその生活リズムは一気に変わります。
4月からは知り合いもない、と異年齢の小集団のなかで過ごす場所に通うことになります。
高校を卒業すると、健常者たちに何割かは大学にいきます。
知り合いもない場所に通う不安は健常者も障碍者も同じでしょう。
でも、健常者は志望した学校に行くのです。自ら選んでそこにいくのです。
ところが障害のある人たちは親が決めた場所に、わからないまま放りこまれるのです。
目隠しして乗り物に乗せられ、目隠しをとったら全く知らない場所で
はい、あなたは今日からここで一日過ごしてくださいね。仕事もありますよ。っといわれたらどんな感情になるのでしょう。
どう気持ちが揺れるのか、波打つのか、嵐になるのか
わが子の気持ちを想像すると不安ではあるが、徐々に徐々にそこで楽しみを見つけてほしいと切に願う気持ちであります。
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